千葉参り1️⃣
Category旅行

写真は昨年亡くなった従兄弟のお墓・・・。
やっと会えました・・・。
できれば元気なうちに、また一献傾けたかったのに・・・。
昨年一月に、幼い頃から兄と慕っていた従兄弟が僅か55歳で他界。
病名を告げられた時は既にステージIVの末期という状態で、ありとあらゆる懸命の治療と、本人はもとより家族親族友人知人らも一丸となって奇跡の回復を祈りましたが、その願い叶わずあっという間に逝ってしまったのでした。
その従兄弟へ一度もお見舞いに行かないうちに他界してしまったことがこの1年半自分にとって大変な心の重しになっていたわけです。
生前従兄弟は良く言ってました。
「憑き物は落としていかなくてはいけない」と。
その時はなんとも思わなかったのですが、逆に彼が亡くなってから彼のこの言葉が私にとって「憑き物」と化してしまったのであります。
これを落とすにはやはり墓前で手を合わせて、彼と会話するに限るだろうと。
そう決意して、仕事的にも一番自由の利くこの時期に車で千葉まで行くことにしました。
そして先月約一週間に渡り、東京と千葉を巡ってまいりました。
ほんの僅かなお金と一台の軽自動車。
これによりとても貴重な体験を重ねるとことができました。
今回よりその体験記を書いてまいります。
時を戻します。出発は月曜日の夜でした。
今週中には戻るという大まかな約束のもと、家族と離れることに。
道中何かあっては娘の姿も見納めかと思い、柔道の練習姿を目に焼き付けてからの出発でした。

日本海側を南下、途中月山を越え、米沢経由の喜多方入りです。



夜の空いてる道とは言え、喜多方の道の駅まで約5時間ほどかかりました。
もう速攻で寝られるくらい疲労がたまりましたが、はんつさんとの約束で(笑)、これだけはやらないと眠られません。

軽の後部座席はあらかじめ取り外し、寝床を確保できるようにしておきました。
こうすることによって、運転席の椅子もフルリクライニングして、とても寝やすくなるのです。
敷布団や寝袋、それに枕など寝具一式を積んでいよいよ車中泊一日目です!!

ちなみにガソリン携行缶も積んでましたが、寝る際はさすがに怖いので車外へ。
この時期あまり暑くもないので、窓も閉め虫対策も大丈夫です。
万が一暑くて眠られない場合用に、しっかりと窓用網戸も自作しておくほどの用意周到ぶりです(笑)
1時頃から晩酌スタートしましたが、疲れて酒の回りも早く、すっかり寝落ちしていました。
翌朝、ツバメの巣づくろいの声と、良い天気の日差しのもと6時半に起床。

歯を磨いてすぐに出発です!
ここは喜多方です。
なぜここを選んだのかはここをお読みの方はすぐにお判りでしょう。
そうです。
朝ラー目当てです(笑)
しかもわざわざ火曜日を選んだのはここの塩ラーメンを食べたかったからです!!

喜多方市内にあります「ラーメン喜一」さんです。
6時50分に着くも、痛恨のセカンドでありました。
しかしここでムンつけて帰らないのが私の良いところ(爆)
てか、事前チェックをしていたのはここだけだったので、食べるしかなかったのであります(笑)
開店前、店主の吉田さんがわざわざ声を掛けてくれます。
車のナンバーを見たのでしょう「秋田からいらしたんですか?ラーメン食べるためですか?」と言われます。
「はい。そうです!道の駅に泊まってから寄らせて頂きました」と私。
「うちの奥さんは大館出身なんですよ」と吉田さん。
一気に親近感が増します。
わずかな時間で色々とお話しましたが、常ににこやかに優しく語りかけられる口調に、生意気にもこれまで相当苦労された方なのではという印象を受けました。
そして、この方の作られるラーメンなら間違いないと思えたのです。
私の受けた印象とラーメンのクオリティは、すぐこの後に実証されるわけであります。

お店の玄関には名前を書く記帳台があります。
初訪の私は、これは混んでる時の記帳だと思い、何も書かずにいたのですが、後から次々やってくる人はそのノートに名前を書いていくではありませんか。
私は最後まで書かずに入店します。
そして店内で一人ずつ注文が取られます。
それはなんと先ほどのノートに書いた順番で聞かれていくのです。
これにはさすがの私も焦りました。
私の後から並んだ人は10名はいたはずです。
その人たち全員が私より先にラーメンを食べるのならこれはショックです(笑)
私「あの入り口のノートに書かれた人の順番なんですか?私、わからなかったので書いてませんが、二番目に並んでいましたよ」と言うと
店員のオネイサン「はいはい」みたいな受け流し。
うーん。これはかなりの不安です。
私が山塩大盛りをお願いできたのは私より先に5~6人の方が注文した後でした……
ま、その時はその時で仕方のないことですがね。郷に入っては郷に従えというわけです。



メニューの写真などを取っているうちに着丼です。
あれ?早いなぁ。。
と思って周りを見てみると、着丼したのはシャッター長のグループと、私だけでありました。
つまり…。吉田社長はしっかりと並んだ順番を確認されておられたのであります!!
開店前に店の前に出てこられて話をした際、ちゃんと私が並んでいたことを確認し、店内でのオーダーの順番も前後していることに気づき、セカンドとして作ってくれたのでした!
この配慮にはとても嬉しかったです。


ご覧ください、このスープの透明感!
レンゲにスープが入っているのですが、透明度が高くて見えません!

喜多方ラーメンならではの麺!!
本場で頂くのは10年ぶりくらいになります。

しっとりとしたチャーシューで、大変美味。
朝からこんなハイレベルの塩ラーメンが食べられる喜多方住みの方は幸せです!!
大盛りでしたが、あっという間の完食!せめて会計シャッター長だけは取りたくて、というか、この配慮に感謝したくて厨房の吉田社長へご挨拶しました!
「いろいろとありがとうございました!」
「お口に合いましたか?」
「最高にうまかったす!これから千葉の従兄弟の墓参りです。必ずまた寄らせて頂きます!」と言うと、社長は満面の笑みで「気をつけて回ってください」と仰ってくれました。
朝からとても清々しい気持ちになり、これから始まる楽しい旅の行方を暗示させてくれたのであります。
さて、そんなこんなで旅のいいスタートを切った私は、わざと高速は使わず、下の道を飛ばします。
高速ばかり使っていると各地の道の駅にも寄られなければ、おいしそうなお店を見つけることもできません。
なにより味気ない旅になってしまいます。
時間に余裕がない時ならばいざ知らず、今回は寅さんのように急行や特急は使わず、鈍行で行きたかったのです。
移動速度が遅いと様々なものが見えてきます。
車より自転車、自転車より徒歩。これで見えてくる世界はまるで変わりますよね。






この後は塩原温泉郷を通り、矢板市に抜けます。
ここまで時間がかかり過ぎたので、仕方なく東北道へ。


後はひたすら走り抜け、市川市を目指します。



到着が遅くなってしまい、現地で待っていた歳下の従姉妹には会えませんでしたが、亡くなった従兄弟は静かに待っていてくれました…

まさかこんな形で会うなんてな…。
元気なうちに会いたかった……。
かなり急いで来たので、大好きだったショートピースも、天寿もみんな忘れてきてしまってごめん。
思えばタバコはショートピース、ウィスキーはストレート、ロックもプロレスも1、2の三四郎も、ケンカの仕方等々、挙げればキリがないけれど、これら全部を教えてくれたのは貴方でしたね。
なんで今こんなところに入ってるのさ?
また「おめどいればハゲグなるで!」と言って怒ってくれよ。
婿として悩んでいた一時期「オレ、なんとすればいべな」って珍しく弱気になったこともあったよね。
俺に助言求めるなんて、あれが最初で最後だったね!
墓前で手を合わせていると次から次へと思い出が去来します。
私の少し前に来ていた在京の従姉妹が備えてくれたお花が哀しさを引き立てるのでありました。
さて、従兄弟との会話も終わり、ふと時計を見たら今日の宿泊地へ向かう時間が迫っていました。
「こごさいるど暇だし、ジメジメでがら、まだ顔出せな、学。次はタバコ頼むで(笑)」
と言われたような気がしました…
「じゅんぼ、まだ必ず来っから!!今日はまんずな!!」
そう声をかけてお墓をあとにしました……
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