にかほ市 まがりや食堂
Categoryそば

今月末で営業終了となる、にかほ市の旧佐々木家住宅内「まがりや食堂」さんに行ってきました。
にかほ市で夏季期間中にやっていた「おでかけレストラン」で訪れた時は営業時間外。
今回はしっかりその辺を確認して。
実は、先日ここが今月いっぱいで営業終了と新聞に載っていたのであります。
閉店の理由はやはり来店者の減少、営業赤字ということでした…。
「秋田県にかほ市院内にある公園・薫風(くんぷう)苑の一角に立つ、明治初期建設の市有形文化財「旧佐々木家住宅」。馬屋と住家が一体となったこの「曲屋(まがりや)」に、2001年オープンした「まがりや食堂」が今月末で閉店する。採算が取れなくなってきたため、運営する市シルバー人材センターが決断した。
市文化財保護課によると、旧佐々木家住宅は1876(明治9)年に同市畑に建てられた。1991年の台風で屋根が破損するまでは、この家を建てた佐々木勝松さん(故人)のひ孫に当たる勝男さん(75)、徳子さん(74)夫婦が暮らしていた。
台風被害を受け、解体を余儀なくされたが、旧仁賀保町から曲屋を残したいと申し出があり、勝男さんは建物を無償譲渡。町は解体後も部材を管理し、2001年公園内に建物を移築した。内部は無料で公開している。
まがりや食堂は、気軽に旧佐々木家住宅に足を運んでもらおうと、町などの発案でオープン。当初は町社会福祉協議会が運営し、11年からシルバー人材センターが引き継いだ。
メニューはそば、うどん、おにぎりなど。かつての茶の間や座敷が客席となっており、いろりや床の間を眺めながら食事が楽しめる。
これまではサラリーマンや近くのグラウンドゴルフ場利用者らがよく訪れていたが、なかなか客足が伸びず、年間20万円程度の赤字となる年もあった。不足分は、人材センターからの持ち出しでカバーした。
センターは市と協議し、今夏に終了を決断。10月下旬に食堂に営業終了を告げる張り紙を掲示した。人材センターの担当者は「心苦しいが、センターの本来業務に支障が出ないように考えた結果。残りわずかだが、気軽に足を運んでほしい」と話している。
13日は休業し、その後は30日まで無休で営業する。午前11時~午後2時。問い合わせは市文化財保護課TEL0184・43・2005 さきがけ新報より抜粋」
実はここの場所、わかりにくいんですよね。
車ならばナビに頼れば間違いないのですが、電車ならにかほ駅からも遠いしバスもきついところ。
田舎暮らしはやはり車がないとにっちもさっちもいかないのですよ。。。
もちろん郊外にあるからこそひと際雰囲気が増す建物なんですけどね(笑)

というわけで、閉店まで来られる時は来ておこうということで、記事を読んだ翌日に即訪問させていただきました。

新聞を読んで報を知った人でごった返しているかと思いきや、昼過ぎに訪れてみたら私の他に二組だけ・・・
肩透かしを食らった印象です。
隣に囲炉裏のあるテーブルにて。
眼の前には「玉音放送」を流したと云ういにしえのラジオが・・・

スピーカーネットが経年劣化でボロボロでスピーカーが見えておりますが、それがなんとも良い味を醸し出しております。

この日頼んだのは「天ざるそば」800円也。
提供まで10分ほどかかりました。
注文を受けてから丁寧に作っておられると推察します。

揚げたての天麩羅は、海老・ナス・舞茸・大葉・南瓜の五種類。
肝心の蕎麦は、たいへん強いコシがあり、口の中で跳ね踊ります。

どこの蕎麦粉を使っているのかはわかりませんが、美味しいことに違いはありません。
うーん、大盛りにすればよかった。。。。
これだけのクオリティーで値段ならば、確かに売上的にはあまり儲からなかったでしょう。
実際1000円でも安いと思いますよ。


室内は天井にLEDライトが数個あるだけなので、かなり暗めですが、昔の茅葺きの家はもっともっと暗かったことでしょうから、いかに我々が普段明るい室内で暮らしているのか実感させられます。
もっと早く訪れるんだったと後悔するもそれは先に立たず。
閉店まであと僅かな日数が残されている(閉店まで無休)わけですから、あと数回訪れようと思います。
スポンサーリンク

翌週の週末、かみさんを伴って早速再訪してみました。
さすがに新聞ニュース等で知らせを知ったと思われる方々でごった返しておりました。
座敷の外で15分、座敷に通され着座してから30分ほどウェイティング。
あ、オーダー方法ですが、まず入り口にある券売機で食券を購入、それを近くに立っている年配の男性へ渡します。
すると番号札が手渡されます(たぶん待ち客がいる忙しい時だけ)
座敷外で待っていると「◯番の方、中へどうぞ〜」と声掛けされます。

この日は比較的暖かかったのでストーブだけで大丈夫でした。
もしこの囲炉裏が赤々と燃えていたら最高なんですけどね。
でも間違って小さい子が落ちたりして「野口英世」になったりしたら大変ですから、完全にインテリアと化しているようでありました。

この天井裏の梁も素晴らしいです。
これが移築された建物だというから驚きではありませんか。
しかもこのような茅葺の家を再建できる大工さんが現代にもおられるということにも吃驚です。


この日の注文は一番高い「まがりやセットそば」800円です。
この間までは700円だったというから驚きですね。これではやはり儲けは出ませんよ。。。
ところが厨房の方からオネイサンが走ってきて「すみません、セットの炊き込みご飯が売り切れてしまいまして、セットが出来ないんです」と。
とくだんご飯は必要のない私ですから「それならば蕎麦を大盛りの大盛りにしてもらえますか?」と聞いてみます。。
五分ほどしてからまたオネイサンが戻ってきて「大丈夫だそうです〜」と。
まさか厨房内で五分も紛糾していたわけではあるまいな?(笑)
というわけで、着丼〜

煮物、漬物、白玉、それに本来であれば炊き込みご飯。これで800円とは・・・
白玉はかみさんにパス。
蕎麦の量は思ったほど多くなく、大盛り程度でしたね(苦笑)
つゆ入ですから、コシはやや弱まりますが、それでも程よい弾力があり美味いです!!
最後は蕎麦湯を残ったおつゆへ注いでフィニッシュです。
満足〜!!
もう残すところ10日ほどになりましたが、うどんにも興味が湧いてきましたので、もう一回くらいは行けたらいいなぁと思っております。
誰か、食堂の権利を買い取って営業を継続してくれないかなぁ・・・と切に願うところであります。。

- 関連記事